■頼まれ仲人の心得
いわゆる"頼まれ仲人"とは、挙式日の仲人(媒酌人)だけを依頼された場合をいい、恋愛結婚に多いケースです。

ふたりのうち、どちらかを知らないケースが多いので、事前にくわしく教えてもちい、本人にも会っておきます。

見合い結婚で、ふたりの紹介者が別にいる場合は、披露宴のとき、「実際の結びの神は××さんでございます」と紹介するのがエチケットです。

■結納品の並べかた
白木の祝い台の上に、右から(1)目録、(2)長炭斗、(3)金包、(4)末広、(5)家内喜樽、(6)友志良賀、(7)子生
婦、(8)寿留米、(9)松男(勝男武士)の順で並べます。

いずれも縁起のよい品を縁起のよい字に当てはめてあります。

結納飾りは両家で同じ品数のものを交換し、結婚式まで床の間(床の間がない場合はタンスの上などの高い場所に置く)に飾っておくのがしきたりです。

大橋直久

■見合いでの支払い
見合いの当日、支払いの件でその場でゴタゴタ手間どることのないように、事前の打ち合わせをしておかなければならない。

仲介者の自宅で見合いをする場合は、費用を両家で折半する意向を伝え、だいたいの予算を聞いたうえで、少し多めの金額を折半する。

もし、仲介者が「ご心配無用です」と受け取らなかった場合は、菓子や果物、花など相応の手みやげを持参するようにしたい。

当事者のどちらかの自宅でする場合は、現金では失礼にあたる場合もあるので、出向くほうが仲介者と相談して、菓子、果物などの手みやげを持参するのがやはり妥当であろう。

■結納の日取り
昔のしきたりでは吉日(大安、先勝、友引)の午前中に行なう習慣でしたが、現在ではお互いの都合のよい日を仲人が打診して決めるのが適切です。

一般には休日の昼行なうことが多いようです。

おめでたいことは日のあるうちにすませたいものです。

大橋直久

せっかくお祝いを贈るのだから、相手が喜ぶ品を選びたい
ものだ。

その際、まず気をつけたいのは、ほかの人の贈り物と品物が重なってしまわないようにすること。

注意しても、結婚祝いの品物はとかく重なりがちなものなのだ。

いくつあってもいいような消耗品であればともかく、陶器や電化製品になると、重なったらじゃまになるだけ。

相手にしてみれば贈り物なのだから他人に譲るなどの処分がしにくく、困ることが多い。

贈る人が親しい人だったら、率直に予算をいって、希望を聞くようにしたほうがよい。

祝いの品なのだから、相手に喜んでもらえることが第一である。

そのほうがむしろマナーにもかなっているといえるだろう。

大橋直久

結婚披露宴に招待されたら

結婚披露宴に招待されるということは、当事者側が大事な存在だと考えていてくれるということである。

招待されても、披露宴当日のその時間とはずせない仕事が重なったり、服喪中であったり、出席できる健康状態でないなど、招待にこたえられない場合もあるかもしれない。

しかし、そういった事情がないかぎり、先方の気持ちにそって快く招待に応じ、祝ってあげるようにしたいものである。

招待状が届く前に、口頭で出欠を聞かれる場合もある。

出席すると伝えたら、きちんとスケジュールを合わせておくようにしたい。

招待状が届いてから、欠席の返事を出すなどということは避けたい。

大橋直久

(3)ふたりはあまりなれなれしくしない

新郎新婦がツンとすまして、お互いによそよそしくしているのはおかしなもの。

かといってふたりでばかりしゃべったり、つつき合ったりという、なれなれしい態度は好ましくありません。

スピーチの際、時に目を見合わせてうなずき合ったり、新郎が新婦をいたわったりという程度が、ういういしく好ましい印象を与えます。

(4)新婦は終始にこやかに

新婦がうつむいてばかり、というのでは、つつましい、という印象よりむしろ暗い感じになってよくありません。

かといって、あまり大きな口をあけて、ゲラゲラ笑うのも見苦しいものです。

ユーモアのあるスピーチには、あごを少し引いて口元に手をあて、ほほえむ程度に。

(5)新郎の誘いには従う

新郎の友人たちが、余興の際、新郎新婦にも何か隠し芸を、とうながすことが最近多くなっています。

とくに愛の歌のデュエットなどはほほえましいもの、新郎に誘われたら、もじもじせずに従い、半歩さがって並びます。



大橋直久

和風披露宴 その1

料亭や自宅などで行ないます。

いわゆる、宴会の雰囲気が濃く、年配者には喜ばれます。

席次はディナー形式と同じですが、動きやすいように隣の席の人との問が離れています。

新郎新婦がお酒をすすめられることも多いので、座が乱れないように気をつけます。


(1)会場入口で参列者を迎える

挙式後はほっと気がゆるみ、急に疲れを感じるでしょうが、会場入口ではにこやかに招待客を迎えます。

声を出す必要はありません。

相手の目を見て会釈をするだけで十分です。

握手を求められたら、そっと手を差しのべます。

(2)スピーチの間は相手の目を見る

スピーチをする人は、たいていまず、ふたりに向かって「おめでとうございます」といいます。

座ったまま、軽く会釈をし、そのあとは話し手の目を見る気持ちで視線を向けます。



大橋直久

お見合いの後、相手から断られた場合は、前回書きましたが、今回は、「双方が断る」場合について書こうと思います。

この場合もとくに何の問題もありません。

比較的簡単に話が終わります。

世話人を通して先方に断りを伝えていただきますが、先方には詳しい理由を説明する必要もありません。

先方からの断りの連絡も非常にあっさりとしたものでしょう。

こちらも断ったのですから、この場合でも「あとあとのために・・・。」などと、相手側の断りの理由をしつこく聞くのは失礼です。

「縁がなかった。」ということで納得しましょう。

このとき、親としては世話人に挨拶に行き、お礼と「今後ともよろしくお願いします。」と挨拶をしておきます。



大橋直久

相手から断られた場合 その1

お見合いの後、相手に対してこちらの心が動かないことがあるのと同様に、相手から断られるケースもあります。

せっかく気に入って交際をしようと思ったのに、と残念がったり、がっくりと気を落としてしまいがちです。

また、断られた理由がとても気になりますが、世話人にしつこく尋ねるのはマナーに反します。

断られたにも関わらず、相手の家に連絡したりすると、かえって自分をおとしめることにもなりますし、関係者の方々にも迷惑が及びます。

それとなく理由を話されることもありますが、すでに終わったことなのですから「ご縁がなかったのよ。」「人の好みはいろいろだからね。」とできるだけ早く気持ちを切り替えることができるように本人をはげましましょう。

ただし、本人の心の問題ですから、あまりうるさく繰り返しはげますのは逆効果です。

軽くはげましの言葉をかけ、あとはそっとしておくぐらいの配慮がほしいものです。



大橋直久

結婚通知について(大橋直久)

最近は結婚式自体を挙げなかったり、大々的報告をしないカップルも多いと言われていますが、

きちんとした報告、けじめとして結婚通知を送りたいとう方も大勢いらっしゃいます。

新郎や新婦と直接に交友のあるところへは、ほとんど、披露宴への招待状をだします。

なので結婚通知を省略してもよいといえますが、お招きできなかった人には近況をそえて出すといいです。

また、結婚式は二人だけであげて、結婚届を出し、披露宴は省略して、結婚通知だけを出す、という人もいます。

これでも法律的、社会的な手続きとして完全なわけです。

礼状の内容は、何月何日に結婚したということと、媒酌人があればそのことも書いたうえで、今後ともよろしく、とご指導をお願し、新居の住所を知らせればよいのです。

礼状の差出人は、結婚した本人、新夫婦の連名です。

ただ、新婦の旧姓も入れることを忘れないようにします。

文例としては、下のようなものです。

?例?

秋もようやく深くなってまいりましたが、皆さまにはお変りもなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。

さて、私どもは〇〇様ご夫婦のご媒酌を得て十月十日結婚いたし、ささやかながら新居を構えました。

何かといたらぬ二人でございますが、今後ともよろしくご指導くださいますよう、心からお願い申し上げます。

まずは、失礼ながら、書面にてごあいさつ申し上げます。

平成〇〇年〇月〇日

住所

名前〇〇

(旧姓〇〇)

電話番号

大橋直久

転出入の手続き・挙式当日の新郎

■転出入の手続き
結婚して住所が変わるときには、転出届、転入届をしなければなりません。

移転する人は、前住地の市区町村役場、または区の出張所から転出証明書をもらっておかねばならないのですが、これは十四日以内に手続きをしないと転出届が無効となるので、挙式の直前に転出手続きをするのがよいでしょう。

■挙式当日の新郎
新郎は、挙式の前日は理髪などをして、ゆっくり睡眠をとり、当日は定刻の一時間前ぐらいに式場に着いて新郎側控室にはいり、仲人が到着したら「本日はお忙しいところをありがとうございます。

どうぞ万事よろしくお願いいたします。」とあいさつします。

控室では、式場の係員の注意をよく聞いておき、誓詞に年月日と署名をして、誓詞の読み方を練習しておきましょう。

大橋直久

受理証明書の手続き(大橋直久)

戸籍係から「婚姻届受理証明書請求用紙」ももらってきて必要事項を記入しておき、夫婦の結婚前の姓の印鑑を押印して、婚姻届と同時に差し出せば、1,400円の手数料で上等な紙の立派な「婚姻届受理証明書」を発行してくれます。(通常の手数料は350円)

これは二人の記念として永く保存できますし、あらかじめ婚姻届をすませておいて、この証明書を結婚披露宴席上で媒酌人が、「このとおり、すでにお二人は婚姻届をすませ、受理証明書がここにあります。」と法律上に婚姻が成立したことを披露するのもひとつのアイディアでしょう。

なお、婚姻届が誤って記載されることもあるので、届出後一カ月ぐらいに一応、戸籍抄本を取り寄せてみて完全に記載されているかどうか確かめておくという念の入れ方も必要でしょう。

大橋直久

挙式の日時・場所はどう決めるか

双方の話しあいで、結婚費用の予算とその分担法が決まったら、挙式の方法や披露宴の規模・日時・場所などを決めることになります。

結婚式には、神社の神殿やレストランなどの結婚式場などで行なわれる〈神前結婚式〉と、寺院や家庭の仏間などで行なわれる〈仏前結婚式〉、キリスト教各派の教会などで行なわれる〈教会結婚式〉と、天理教などの神道各教派の教会で行なわれる〈神道各派の結婚式〉、それに〈家庭結婚式〉や〈人前結婚式〉など、さまざまの形式があります。

そのうち、純然たる宗教結婚式である〈仏前結婚式〉や〈教会結婚式〉、それに、〈神道各教派の結婚式〉などは、双方が同じ宗教宗派の信者である場合は、問題はありませんが、そうでない場合は、おたがいに、あとにしこりを残さぬよう、よく話しあって、どの形式を選ぶか、また、式場はどこにするかを決めるようにしなければなりません。

大橋直久

鏡開きというのは一月十一日、お正月に飾ったお鏡(鏡餅)をおろし、下げた餅はおしるこにしていただく風習です。

そのさい刃物で切らず、手で開いたり、槌で割ったりします。

固くなっていて、切りにくいことも切りにくいですが、"開く"は"切る"ということばをきらっての表現ですし、アズキの吸い物(おしるこ)にするのは、わが国にもたらされた最初の米種が赤米であったことを偲んで、赤飯などの場合と同じに、いつもこうしたときはアズキをつかうのです。

つまり、正月も十日をすぎたから、お鏡を開いてそろそろ働こうと、商店では土蔵開きといい、また、農村では田打正月といって、古くは形ばかり農作業をし、雪国では雪の上に松の小枝を苗にみたてて植えたりしたといいますが、近世ではそんなに長く休んでいるわけにいかないので、実際の仕事始めは二日に繰り上げ、形式だけが残っているのです。

大橋直久

年まわりと四目十目の忌み

年まわり - 年まわりとは、まわりくる年齢によって、吉凶があるということです。

男の二十五と四十二、女の十九、三十三、三十七などの厄年もそれで、厄年については"冠"の部でものべましたが、この年に結婚することを忌む風習もあったりします。

結婚はしたいが気になるという人は、満で都合が悪ければ数え年計算してみたり、今年中には挙式できないし、来年は厄年になるという人は、節分までなら旧年のうちであるとしたりするのも、一方便ということになりましょう。

四目十目 - 男女の年齢の一方の年から数えて、他が四年目または十年目に当たる三つ違い、九つ違いを忌む俗信です。

四目十目は、前に紹介した"嫁遠目笠の内"からきたものですが、浄瑠璃の心中物に、"三つ違いのアニさんと"とあったのが、三つ違いは嫁(四目)になるとして、遠目(十目)までが不吉とされるにいたったのです。

大橋直久

恋愛結婚にしろ、見合い結婚または知り合い結婚にしろ、現代の結婚が自由に結ばれたものでなければならないのは、"婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として・・・(憲法第二十四条)"と、うたわれているとおりです。

かつては結婚といえば親と親とがきめるのがふつうで、家と家との取引みたいなものだったものです。

当事者たちは、結婚はこのようにして決まっていくものかと思うだけで、それにはそれなりの理由もあってのことですが、いまは見合いといっても、その結果がよさそうなら、一定の期間つきあって、十分に愛情がわくのを待つのが一般ですから、内容的には恋愛結婚と変わりないといえましょう。

これは知り合い結婚でも同じで、たいへんおとなしいかたなんかには、やはりそばから、おせっかいするほうがよかったりすることもあるのではないでしょうか。

大橋直久

適当と思える候補者を選んだら、依頼者側の写真、履歴書、家族書を先方に持参します。

できれば両親だけでなく本人も在宅のときがいいでしょう。

先方には、依頼者側の客観的な事実(家族構成、家庭環境、学歴、性格など)をできるだけ詳しく説明しますが、私情をまじえた意見をさしはさむことはひかえます。

また"仲人口"といって、本人や家族のことを、実際以上にほめあげたり、都合の悪いことを隠したりする、無責任な態度は絶対につつしみます。

"仲人口"は何かとトラブルのもとになると心得ておくべきです。

仲人の仕事は、頼まれてすることとはいえ、人の人生における最も重大な問題を扱うわけですから、軽率な言動を自らに戒め、つねに責任の重さを自覚していることが必要です。

大橋直久

縁談候補者を選ぶときは双方のつり合いを考える縁談の依頼者側について納得がいったら、今度はその相手の検討を始めるわけですが、冷静かつ公平に見て、ふさわしい相手かどうか判断しなければなりません。

見合い結婚は、お互いに相手にさまざまな希望条件をもっていて、その条件をどの程度満たす相手かということが、重要なポイントになります。

仲人は依頼者側の条件ばかりでなく、相手方への配慮も忘れてはいけません。

客観的な立場で双方のつり合いを考えてみることがたいせつです。

家柄、経済状態、職業、年齢、教育、生活水準、趣味、性格、家庭環境など、多面的に検討して、バランスのとれた相手を選ぶようにします。

つり合いを無視した人選は、お互いに不愉快な思いをすることにもなりかねません。

本人、家族のことをよく知っておきましょう。

大橋直久

コサージュ

コサージュは、婦人服の胸飾りのことです。

西洋の習慣では、両家の母親は相談して、同じコサージュを胸につけて出席します。

花の種類に決まりはありませんが、洋ランを使うのが通例のようです。

列席した女性もコサージュをつけてよいのですが、新婦の色である白い花を避け、また新婦がお色直しにコサージュをつける場合には、新婦より控えめになるように、気をつけましょう。

新婚旅行に出掛ける時、新婦はコサージュをつけますが、これをゴーイングアウェイ・コサージュといいます。

ブーケと同じように、コサージュの注文は、遅くとも一週間前には済ませましよう。

大橋直久

正式には白い花(貞淑を表すジャスミンや子孫繁栄を表すオレンジの花と、希望を表す緑(たとえばスマイラックスなど)で作りますが、現在では、新婦の好みの花を使うことが多いようです。

生花を使う場合、汚れやシミのない、特別に作られたブライダル用の花を使いますので、遅くとも一週間前には注文しましょう。

ブーケには、いろいろな形がありますので、新婦の体型やドレスのデザイン・色などとのバランスを考えて決めましょう。

フラワーデザイナーに相談しながら決めるのもよいでしょう。

その際、ヘッドにつける花も、一緒に考えてください。

◆花の費用
こうした花にかかる費用の負担にも習慣があります。

新郎側はブライダル・ブーケと、両親や姉妹のコサージュや花束を、新婦側はその他の花束、披露宴食卓などの花、教会で式を挙げる場合の教会堂の花などを負担します。

大橋直久

結婚披露宴の幹事

結婚式の前は結婚する本人たちはもちろんのこと、家族や媒酌人も何かと落ち着かないものです。

どんなに注意深く準備を進めているつもりでも、ちょっとした細かい点を見逃していたというようなことも起こりかねません。

そこで、気心の知れた友人や親類に、幹事役になってもらうというのも一つの方法です。

プログラムを組んだり、当日の会場の設営について会場との打ち合わせをしたりというようなことを、幹事にまかせられると安心ですし、わずらわしさも多少ははぶけます。

本人や家族の代わりに準備や手配をする人ですから、ごく親しい人、こういう行事に慣れていて、マナーやしきたりに精通している人に頼むのが確実です。

幹事役はふつう、披露宴の司会役を兼ねるのがほとんどです。

大橋直久

年賀状は年に一度のあいさつで、新年を迎えた喜びと希望と祝福を込めて、お互いに交換し合うものです。

取引先の企業やお世話になっている方などに、心を込めて書きたいものです。

年賀状を書くとき配慮したいことは、
・元旦に届くように出すこと。

そのためには、できるだけ定められた投函日までに出したいもの です。

・年賀状は、だらだらと長く書かずに、要領よく書くようにし、とくに改まった場合には、きちんとした封書を用います。

・版画や絵をあしらう場合には、自分の立場、相手との関係を考慮して、失礼のないものにすべきです。

・表には相手の住所、氏名、郵便番号だけを書き、自分の住所、氏名、郵便番号は裏面に書くようにするのが普通です。

・日付は、年号に続けて「元旦」または「一月一日」と書きます。

「一月元旦」とか「正月元旦」という書き方はありません。

・前年に不幸があった家庭には、年賀状は出さないようにします。

もし、間違って出した場合は至急おわびの手紙を書くのが礼儀です。

大橋直久

社交・儀礼文書の頭語には「拝啓」が一般的によく使われます。

前文では、時候のあいさつ、先方の繁栄を祝うことば、日ごろお世話になっている感謝のことばなどで構成します。

ビジネスは、人間的な面を無視しては、決してスムーズにはいきません。

季節的なあいさつ状などにも気を配りたいものです。

季節のあいさつ状を出さなかったからといって実害がなくとも、信用を落として将来の不利益をもたらす可能性もあるのです。

ビジネスの世界は、言い訳は通用しません。

季節のあいさつ状、礼状ぐらいは、時期を逸することなく、きちんと出せるようになりたいものです。

年賀状などは、文学作品を書くわけではありませんが、長い文学作品を書くよりも、短いあいさつ文のほうが難しいものです。

誰でも読める文字で、必要なことを落とさず、形式を踏んで書かれていなくてはなりません。

大橋直久

洋封筒の書き方(大橋直久)

洋封筒の場合に、縦書きと横書きでは若干マナーが違います。

洋封筒を縦書きにしたときの封じ目が、左のほうが上になると、不吉、弔事の忌みを表すので、気を付けるようにしましょう。

はがきの表書きの郵便番号、住所、宛名は封筒と同じと考えて差し支えはありません。

差出人の住所、社名、氏名は、切手の下におさまるように書きますが、住所より氏名を大きく書きましょう。

往復はがきを出す場合は、返信用の表書きにも住所、返信先の氏名を書き、宛名には「行」を付けます。

返信はがきを出すときは「行」を消して、その横に個人宛てならば「様」、会社、部署宛てならば「御中」と書き直します。

大橋直久

生菜包とは、牛肉の妙めものを生野菜に包んで食べる料理のこと。

具と野菜が別々にサービスされるので、自分で包みながら食べていきます。

このことをまったく知らないと、とまどってしまいますが、手順さえ知ってしまえば、むずかしいことはありません。

まず、葉を一枚、皿の上に広げます。

そのなかに具を入れ、好みでみそや薬味も加えます。

包むときは、脇からこぼれ落ちないように、手でしっかり包み込んでください。

ここをいい加減にすると、食べているときにボロボロ出てきてしまいます。

食べるときは手に持って食べます。

また、葉と具のバランスにも注意します。

具が多すぎるとうまく包めないし、逆に少なすぎれば、レタスばかりパリパリ食べているようで、おいしくありません。

大橋直久

殻つきの海老、しかもソースがしっかりかかっていて・・・

海老のチリソースは食べにくい料理の代表かもしれません。

いちばんおいしい、簡単な食べ方は、殻ごと食べてしまって、あとから出す方法。

海老がブツ切りになっていれば、この食べ方がおすすめです。

殻を出すときに口もとをちょっと隠して、箸か、手で取り出します。

殻はくず専用の皿があれば、そのなかに、なければ取り皿の上にまとめておきます。

比較的、大きめの海老が出てきた場合は、海老を箸で押さえて、手でむいてください。

店によっては、フィンガーボールが用意されていることもあります。

むき終わったら、ソースをたっぷりからめてから食べます。

初めから、殻を取ったチリソースを注文する方法もかしこい選択です。

海老がプツ切りになっていれば、食べて、あとから出します。

大橋直久

機械的な応対

言葉づかいも物腰も笑顔も、一点非の打ちどころがないのに、応対されたほうはなぜかフッといやなものを感じる。

いんぎん無礼に近い感じを受けるのです。

しかし、よく考えてみると、少しも無礼なところはない。

あいさつが過剰なわけでもない。

にこやかな笑顔でテキパキと処理してくれる。

よく訓練ができているな、とかえって感心するくらいである。

でもやっぱりどこかヘンだ。

これは慣れからくる機械的な応対だからです。

要するに、こころがこもってないのです。

「いかがですか、私の応対ぶり。一分のスキもないでしょ」

そんな声が聞こえてきそうで、用件はまたにして帰ろうか、などと思いかねません。

大橋直久

思わぬ落とし穴(大橋直久)

あいさつにおける細かい技術というものは、訓練しておかなければなりません。

おじぎの仕方は、上体を三十度傾けるのがいちばんいいと知っていても、その場で何度と、はかるわけにはいかないのですから、いざ応対するとき、自然にできるように、日ごろから練習しておく必要があります。

電話で会社の場所を聞かれたときに、改めて考えているようではだめで、手際よく説明できなくてはなりません。

応対用語は、その場その場で、よどみなくいえるようにしておくことが肝心です。

しかし、こういう慣れが、思わぬ落とし穴になることがあります。

それは技術的な慣れが、こころにまで及んで、自分では完壁な応対をしているつもりで、じつは、まるでこころのこもらぬ機械的な応対になってしまうことです。

よく訓練された受付嬢とか秘書課の女性などに、ときおり、このタイプがみられます。

大橋直久

職場では、男性は「ぼく」はやめて「わたし」、女性は「わたくし」というべきでしょう。

男性も接客・応対の場合は「わたくし」がいい。

日本語で自分をさす言葉(人称代名詞)はたくさんありますが、いちばん聞きよく、また男女どちらでもつかえるのが「わたくし」です。

「私」という字は、元来「わたくし」と読むのが正式で「わたし」は略語です。

また「僕」は、「私」にくらべると、かなりぞんざいな言葉(本来、男の召しつかい、下僕の意味で、謙遜の意味をふくむ)ですから、男性もせめて「わたし」といわないと、ビジネスで対等なつき合いをしていないことになってしまいます。

また女性は、男性の「ぼく」に相当する言葉をもたないので、「わたくし」といわないと、ぞんざいな印象を相手に与えてしまうことになります。

しかし、職場で、ビジネスのうえで「わたし」「わたくし」をつかうのは、たんに人称代名詞の用法だけの問題ではありません。

「です」「ます」と「わたくし」をつかうことで、言葉づかいが自然に改まることにあるのです。

たとえば、何かミスをして、それを素直に認めて謝るようなとき、「わたくしの」ではじめれば、
「わたくしの不注意でした。ご迷惑をかけてたいへん申しわけありません。」
という具合に、ていねいな言葉づかいが自然に出てくる。

はじめの「わたくし」と語尾の「です」「ます」の間にはぞんざいな言葉が入りこむすきがないからです。

「わたくし・・・です。」「わたくし・・・ます。」 にはこういった効用もあるのです。

大橋直久

大学進学の祝い(大橋直久)

進学競争の激しい現在では、希望どおりの大学に入学できたのかどうか、まず確かめる必要があります。

希望の大学ではないのに、周囲がはしゃいでは、かえってひんしゅくをかってしまいます。

大学に入学するころになると、たいていのものはもっています。

お祝いは本人の希望を聞くのが一番です。

実家を離れて下宿生活を始めるのならば、炊飯器やオーブントースターといった自炊用具も喜ばれます。

適当な品物が選べないときには、図書券などがよいでしょう。

お祝いを贈るときには、「祝御入学」ののしをつけますが、入学先が第一志望でない場合は、ふつうのリボンなどですませた方が、気配りがいきとどいているといえます。

レストランで食事をごちそうするのも、ひとつのアイデアです。

社会勉強のつもりで高級なお店に連れて行ってあげてはいかがですか。

心に残る気のきいたプレゼントで、きっと喜ばれるでしょう。

大橋直久

中学・高校入学の祝い

小学校入学とは違って、中学や高校の入学は派手に祝わないのがふつうです。

しかし、私立の学校に無事入学できたなどというときは、プレゼントをすると喜ばれるでしょう。

プレゼントには、なんといっても、カバン、万年筆、辞書などの学用品がよいでしょう。

定期入れやトレーニングウェアなどの消耗品も喜ばれる贈り物です。

好みが分からなければ、図書券が無難な線で、だれにでも喜んでもらえます。

お祝いには、紅白の蝶結びの水引きののし紙に「御祝」「祝御入学」などと記します。

また、洋風にリボンで飾ったものでもいっこうにかまいません。

カードを添えるとよいでしょう。

入学祝いには、お返しはいりません。

手紙や電話でお礼を述べますが、このとき本人からも、必ずひとことお礼をいうようにするのが、最低限の礼儀です。

大橋直久