言葉づかいも物腰も笑顔も、一点非の打ちどころがないのに、応対されたほうはなぜかフッといやなものを感じる。
いんぎん無礼に近い感じを受けるのです。
しかし、よく考えてみると、少しも無礼なところはない。
あいさつが過剰なわけでもない。
にこやかな笑顔でテキパキと処理してくれる。
よく訓練ができているな、とかえって感心するくらいである。
でもやっぱりどこかヘンだ。
これは慣れからくる機械的な応対だからです。
要するに、こころがこもってないのです。
「いかがですか、私の応対ぶり。一分のスキもないでしょ」
そんな声が聞こえてきそうで、用件はまたにして帰ろうか、などと思いかねません。
大橋直久