自分のことを「わたし」か「わたくし」と呼ぶ理由

職場では、男性は「ぼく」はやめて「わたし」、女性は「わたくし」というべきでしょう。

男性も接客・応対の場合は「わたくし」がいい。

日本語で自分をさす言葉(人称代名詞)はたくさんありますが、いちばん聞きよく、また男女どちらでもつかえるのが「わたくし」です。

「私」という字は、元来「わたくし」と読むのが正式で「わたし」は略語です。

また「僕」は、「私」にくらべると、かなりぞんざいな言葉(本来、男の召しつかい、下僕の意味で、謙遜の意味をふくむ)ですから、男性もせめて「わたし」といわないと、ビジネスで対等なつき合いをしていないことになってしまいます。

また女性は、男性の「ぼく」に相当する言葉をもたないので、「わたくし」といわないと、ぞんざいな印象を相手に与えてしまうことになります。

しかし、職場で、ビジネスのうえで「わたし」「わたくし」をつかうのは、たんに人称代名詞の用法だけの問題ではありません。

「です」「ます」と「わたくし」をつかうことで、言葉づかいが自然に改まることにあるのです。

たとえば、何かミスをして、それを素直に認めて謝るようなとき、「わたくしの」ではじめれば、
「わたくしの不注意でした。ご迷惑をかけてたいへん申しわけありません。」
という具合に、ていねいな言葉づかいが自然に出てくる。

はじめの「わたくし」と語尾の「です」「ます」の間にはぞんざいな言葉が入りこむすきがないからです。

「わたくし・・・です。」「わたくし・・・ます。」 にはこういった効用もあるのです。

大橋直久

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このページは、-が2017年1月13日 14:44に書いたブログ記事です。

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