2015年5月アーカイブ

「お心のこもったご祝辞と、あたたかい励まし、どうもありがとうございました。

新郎新婦は、先ほどよりいささか緊張の面もちでありますが、皆様のお言葉はきっと二人の胸に浸みわたっていることと思います。

それでは続きまして、新婦の叔父上、池田○夫様の音頭によりまして乾杯を行ないたいと思います。

池田様、よろしく身願いいたします」

ウエディング・ケーキ入刀のとき

「皆様、こちちをごらんください。

こちらにありますのは、いうまでもなくウェディング・ケーキであります。

このみごとなケ...キに、これより新郎新婦がナイフを入れます。

生涯に一度の記念すべき一瞬であります。

どうぞ皆様、ご注目くださいますとともに、熱烈な拍手で、この世紀の一瞬をお迎えくださるようお願いいたします」

大橋直久

新郎会社同僚の挨拶

「僕はきょうの主役の一人、秋野君と同じ会社に勤める者です。

彼とは同期の入社以来ずっと懇意にしてもらってます。

やたらと肝っ玉の太い、将来大物まちがいなし、というのが我々仲間うちの彼の評価です。

彼の婚約については前々から聞いていましたので、別に驚きもしませんでした。

近い将来の花嫁は聡明でチャーミング。

うらやましい限りです。

さしずめ美女と野獣といったところかな。

しかしこの野獣、たいへんやさしい心根の持ち主です。

女王のために命も投げ打つナイトのごとく、必ずや生涯絹子さんを守り抜くことでしよう。

僕は独身ですから、フィアンセたちにアドヴァイスなどできようはずもありませんが、ただお二人が、お互いの存在を高からしめるすばらしいカップルになってもらいたいと思います。

夫も妻もかくあらねばならぬという絶対の法則はないでしょう。

ならば、なくてはならぬ唯一無二の存在であることが、と、そんな気がします。

フィァンセたちにとって独身最後の年は、自由におおらかに満喫してください。

美女はいよいよ美しく......期待しています」

大橋直久

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