部屋に招じられたとき、主人の姿はなく、先客がいたら、ていねいに会釈をします。
先客より自分のほうが目上だと思っても、先客より下座に席をとります。
主人が現われて紹介されるまでは、先方から語りかけられれば答える程度にします。
名刺を出して自己紹介したり、なれなれしく談笑したりするのは、行きすぎです。
部屋にはいったとき、そこで先客が主人と話をしていたら、まず主人に挨拶をし、つぎに先客に会釈します。
主人は必ず客同士を紹介し、紹介されたら自由に語り合います。
主人の紹介なしに直接の交際を求めるような態度を見せてはいけません。
また先客の話が長びいても、迷惑そうな催促がましい様子はせず、ひかえめに待ちます。
大橋直久
2016年9月アーカイブ
昔は、年賀といえば直接相手方に出向いて旧年中のお礼を述べ、ことしもよい年であることを祈る念頭の挨拶でした。
戦前の日本では、正月になると盛装した店の主人が、年賀の品を肩からかけたかわいい小僧さんと連れだって年始まわりをする風景が見られたものです。
そして、年始に回れない遠隔の地にいる人にだけ賀状を出しました。
ところが、最近は年賀状と年始は別々だと思っている若い方がふえたようです。
上司の家へ年始にうかがったOLの方が、「私の年賀状とどきましたか」と聞いたという例があります。
元旦に会えなくとも、仕事始めに当然顔を合わす上司、同僚に年賀状を出す必要はないでしょう。
大橋直久
紋切り型の印刷の文章で、宛名もだれか他人に書かせたらしい賀状は、いただいてもうれしくありません。
年賀状を印刷した場合は、せめて自分の姓名だけは自筆で書きたいものです。
また、余白にひとこと書き添えてある賀状もうれしいものです。
わざわざ書く以上は、みんなに同じ文では意味がありません。
「奥さまはもうそろそろおめでたではございませんか」「ご主人さまのご栄進重ねておめでとうございます」「おばあちゃまもお達者ですか」など、相手の家庭の事情に即したことばを添えましょう。
なお、年賀状の受付は12月15日から。
元旦の朝に届くように早めに出したいものです。
大橋直久
通知の手紙は、差出し人のほうで生じた事柄を、相手方に伝えるのが目的です。
実用本位の手紙ですから、転居通知なら「このたび都合により左記へ移転いたしましたから、とりあえず御通知申し上げます。日付、新住所」だけでよいわけです。
はがきに印刷したいときは、近くの印刷屋さんへ行けば、サンプルもそろっていて気軽にできます。
しかし、とくに親しい人、つねつねお世話になっているところへ出す場合は、事務的に終わらず、一筆転居の理由、たとえば通勤に便利なためとか、子どもの健康上というふうに書き添え、新住居の略図も知らせます。
これは相手方が便りをくださるときの情報になるわけです。
大橋直久
引越しをする場合は区役所に転出、転入の手続きをします。
転出にさいしては世帯主の印鑑のほかに国民健康保険や国民年金にはいっている場合は、保険証と手帳も持参し、それらと引き換えに転出証明書を受け取ります。
転出証明を受け取ったら14日以内に転居先の区役所にいって、転入手続きをします。
引越し先のもよりの交番にも、ついでのときに住所を書きいれた名刺をもってひとこと挨拶しておくとよいでしょう。
以前の私どもの家のすぐ前が交番だったので、つねつね仲よくしていただいて、旅行に行くときなどはちょっと声をかけてから出かけるようにしておりました。
そんなとき、どんなに心強かったかしれません。
大橋直久
◆贈り物をするときは、「つまらないものですが」と言わない
知り合いの外国人の奥さんが私の誕生日を覚えていて、「あなたにきっと似合うと思って」
と、ブレスレットをくださいました。
この素直な贈呈のことばが、たいへんこころよく私の心にしみ入りました。
贈り物をするときは、「つまらないものですが」「どうせお口に合いますまいが」「まことに粗末なもので失礼ではございますが」という謙遜のことばを添えるのが礼儀と思われています。
しかし、これは相手を驚かす意味で使うならよいのですが、ただ形式的に使うのはおかしなことです。
同じように、表書きにも「粗品」と書くのはやめたいと思います。
「御礼」「贈呈」「松の葉」「寸志」などが適当でしょう。
大橋直久
◆贈り物を託送させる場合には、同じころに届くように挨拶状を出す
本来贈り物をするということは、品物そのものが目的ではなく、贈るという善意が主なのです。
ですから当然、贈り主自身が持参して、挨拶を述べるのが礼儀です。
けれども遠隔の地にある人や、お互いに忙しい時代には、デパートや商店などから贈り物を配達させることもやむをえません。
ただし、これはあくまでも略式ですから、目上に対しては礼を失しないように、とくに心づかいが必要です。
託送させる場合も、表書きだけは自筆で書きたいものです。
また託送の場合は、ていねいな挨拶状を出します。
挨拶状だけがあまり早く届いてしまうのもおかしいものですから、贈り物が届く時期をみはからって出します。
大橋直久
家具、テレビなどのように、形が大きくて正式に包めないものは、目録を作って添えます。
目録の作り方は、奉書を横に2つに折って折り目を下に向け、左方3分の1のところから右へ折り、つぎに右方3分の1のところから左へ折ります。
それをぜんぶ開いた右の3分の1の部分の左寄りに「目録」と書き、中央の部分に品名と個数を書き、左の3分の1の部分の右寄りに贈り主の姓名を書きます。
先方の宛名は書きません。
それを別の紙で上包みします。
表書きには「御祝」「寿」と書きます。
デパートなどから品物を直送させる場合は、別に目録だけを先方に手渡すか、郵送するのがよい方法だと思います。
大橋直久
長雨時は雨を避け、風通しのよい場所に置きます。
痩せ地を好む植物ですから、肥料も夏の暑さで疲れた株の回復のために、9月にリン酸分の多い緩効性肥料を1回施せば充分です。
ドライフラワーやポプリにする場合の収穫は、下のほうの花が2?3輪咲いたころが適期です。
葉を4?5枚つけて刈り取りますが、天気のよい日に収穫したほうが乾燥してから香りが強く残ります。
なお、ラベンダーは全草に香りがあり、葉や茎も利用できます。
繁殖は、発芽・生育に時間のかかる実生より、挿し木をお勧めします。
適期は4月下旬?5月で、約5?に新芽を切り取り下葉を落とし、湿らせたバーミキュライトに挿します。
風通しのよい半日陰で過湿に注意して管理すると約3週間で発根します。
2か月ほどして充分発根したら、通気と水はけのよい土に少し石灰を混ぜた用土で3?4号鉢に鉢上げして管理すると、翌年には開花株に育ちます。
また、同時期に植え替えを兼ねて株分けで殖やすこともできます。
大橋直久
数多いハーブの中で最も名前を知られているのがラベンダーでしょう。
スーッと伸びた花茎の先についた紫色の花が風に揺れるさまはいかにも涼しげで、鉢花としても人気があります。
ラベンダーは開花期と性質から、夏咲きで暑さに弱く寒さに強い種類と、早春から開花し暑さに強く寒さに弱い種類に分けられます。
このブログでは、多く扱われている夏咲き種を中心にその栽培法を述べます。
地中海原産の植物で、直射日光の強い日射しを好みます。
寒さには強いので一年を通して戸外の日当たりで栽培しますが、高温多湿を嫌うため、夏期はできるだけ朝日が射し込み、日中の高温時は日陰になる風通しのよい場所に置きます。
春咲きの種類は寒さに弱いので、11?4月中旬までは室内の日当たりのよい窓辺で管理する必要がありますが、それ以外の期間は戸外の日当たりで充分生育します。
乾燥を好み多湿に弱いため、水は鉢土が乾いてから与えます。
特に、夏は葉に水をかけると株が蒸れるので注意し、梅雨入り前に収穫を兼ねて下枝を整理します。
大橋直久