昔は、年賀といえば直接相手方に出向いて旧年中のお礼を述べ、ことしもよい年であることを祈る念頭の挨拶でした。
戦前の日本では、正月になると盛装した店の主人が、年賀の品を肩からかけたかわいい小僧さんと連れだって年始まわりをする風景が見られたものです。
そして、年始に回れない遠隔の地にいる人にだけ賀状を出しました。
ところが、最近は年賀状と年始は別々だと思っている若い方がふえたようです。
上司の家へ年始にうかがったOLの方が、「私の年賀状とどきましたか」と聞いたという例があります。
元旦に会えなくとも、仕事始めに当然顔を合わす上司、同僚に年賀状を出す必要はないでしょう。
大橋直久