2015年6月アーカイブ

純白が基本(大橋直久)

死装束は必らず左前に合せて、白足袋は左右を逆にはかせ、コハゼは外したままにします。

が故人と最後の対面をしたあと、供花などを棺の中に入れてから、くぎ打ちをします。

棺に蓋をし、遺体の頭にあたる部分に、遺族や近親者が小石を手に持ってくぎを頭陀袋に小銭を入れて、三途の川の渡し賃として手に持たせる、という風習も、今ではすたれ、あまり行なわれません。

額に三角の白布をあてて、白糸で結ぶならわしもありますが、これも今では省略されることが多いようです。

神式では納棺用の神衣というのがあり、これを用います。

これも上から下まで白一色です。

死装束は純白、というのが基本になっています。

打ちつけるのです。

大橋直久

媒酌人(新郎の職場での上司)

「ではここで、恒例によ耽まして、新郎新婦を簡単にご紹介させていただきます。

新郎○男君は本年28才、○○大学社会学部をご卒業の後、○○株式会社に入社され、現在にいたっております。

営業部におきまして、私が彼の直接の上司であります関係上、○男君についてはまるで身内のごとくよく知っているつもりでございます。

月並なほめ言葉になりますが、まさに勤勉実直、誠実、素朴を絵に描いたような青年です。

かといって堅い一方ではなく、適度にユーモラスでざっくばらんで、同僚とのつき合いもいいようです。

むろん仕事上の成績も抜群で、当社ならびにわが営業部の自慢の社貝であります。

さて、新婦○子さんは芳紀まさに24才、○○女子大学文学部をご卒業の後、株式会社○○貿易に入社され、秘書課に勤務、現在にいたっています。」

大橋直久

媒酌人の挨拶(大橋直久)

「ご紹介にあずかりました近藤でございます。

媒酌人といたしまして一言ご挨拶を申し上げます。

かねてご婚約中でありました田辺○男君と森田○子さんは、本日午後二時、当ホテルの式場におきまして、神前にて厳かにご婚礼の儀式を挙げられました。

つつしんで皆様にご報告申し上げますと共に、心よりお喜び申し上げます。

私、媒酌人と申しましてもほんの名ばかりでして、たまたま○男君の勤務しております○○株式会社におきまして、○男君の直接の上司であるということで、本日の媒酌の栄をになわせていただいた次第です。

○男君と○子さんは、まさに現代青年、現代女性の名にふさわしく、そもなれそめから本日のこ婚札まで、ご両親の寛大なご理解のもと、すべて二人で計画、実行され、この晴れの舞台を迎えました。

現代の若者たちの独立独歩のあっぱれな精神を体現した二人を、ご両家共さぞかし

たのもしく思っていらっしゃることと拝察いたします。」

大橋直久

花束贈呈のとき

「さて、披露宴もたけなわとなってまいりましたが、ここで新郎新婦のご両親に、新郎新婦から、感謝をこめて花束を贈呈いたしたいと思います。

きょうのこの晴れの舞台を迎えるまで、限りない愛情と激励と、ゆたかな包容力で若い二人を見守ってこられたご両親は、未知の明日へと巣立ち、はばたいていく二人に、未来永劫に幸あれと祈っていらっしゃるにちがいありません。

その胸のうちは万感の思いにあふれ、余人には、はかり知れない感慨の深さにちがいありません。

新郎新婦はそうしたご両親に対し、心からの愛情と感謝をこめて、花束をお贈りいたします。

新郎のお母様には新婦が、新婦のお母様には新郎が、それぞれ贈呈いたします。

ご列席の皆様、この花束の贈呈は、ご両親への心からの感謝を表明するとともに、二人が今後、力を合わせて、未来の道程をしっかり歩いていく決意を誓うものであります。

どうぞ、盛大な拍手で見守ってくださるようお願いいたします」


大橋直久
「皆様、ゆっくりとおくつろぎいただいておりますでしょうか。

新郎新婦も、先ほどよりはその表情がだいぶやわらぎ、余裕が出てきたようにお見受けいたします。

このへんで、いくつかスピーチをいただこうと思います。

まず、新郎の自称、悪友、本田○夫さんにお願いいたします。

本田さんどうぞ」

「引き続きまして、新婦の幼なじみでいらっしゃる小宮○技さんにお願いします。

小宮さんは結婚生活では新婦の先輩にあたられる由、亭主のうまい操縦法などをうかがえるかもしれません。

では小宮さんどうぞ」

「いろいろとユーモアあふれるスピーチをいただきましたが、ではちょっとここで、ある方に余興をお願いしたいと思います。

新郎のお従兄にあたちれる木崎○夫さんに、かくし芸を披露していただきます。

木崎さんは、うかがうところによりますと、知る人ぞ知る物マネの名人で、職場の忘年会など機会あるごとにひっぱりだこだそうです。

またなにを、どんなマネを披露していただけるのか、たいへんに楽しみです。

では木崎さん、よろしくどうぞ」

大橋直久

食事に入るとき

食事に入るとき
「どうやらお飲みものやお食事の用意も整ったようでございます。

どうぞ皆様方ご自由に、ゆっくりとおくつろぎください。

新郎新婦もひと息いれて、緊張を解いてください。

喉をうるおし、空腹を満たせば、また新たな気分となり、この披露の宴も一段と楽しいものになるでしょう」


祝電を披露するとき

「皆様、ちょっとお耳を拝借いたします。

お食事の手はお休めにならないで、そのままお続けください。

祝電がたくさん届いておりますので、いくつかご披露させていただきます」



新娼が色直しをして登場するとき

「ご列席の皆様、新婦がお色直しをすませて、今またここに入場してまいります。

装いも新たな花嫁を、どうぞ拍手でお迎えください」

大橋直久

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