人間は誰でも、当たり前のように言葉を話している。
外国語の場合、一生懸命に勉強しなければなかなか話せるようにはならないのに、自分の国の言葉だと、とくに文法を教えられなくても自然と話せるようになる。
見方を変えれば、それだけに、言葉の持つ意味を理解していない人が多いとも言える。
毎日のように新聞で報道される殺傷事件。
その記事の内容をよく読んでみると、ほとんどの場合、「言葉」に原因のあることがわかる。
「売り言葉に買い言葉」ではないが、ちょっとした言葉づかいが人間関係のトラブルの原因となりやすい。
それが殺傷沙汰にまで発展している。
殺傷事件は極端な例だとしても、何の気なしに喋ったことが、相手を傷つけるケースは決して少なくない。
誰もが自然に喋れるようになった言葉。
しかし、その言葉がときに相手を傷つけるナイフにもなるのである。
よい人間関係を築くためには、言葉の持つ重要性を常に認識することである。
よい言葉つかいはよい人間関係を生むし、軽率な言葉づかいは人間関係のこじれの原因になる。
人間関係は言葉つかいから始まるのである。
大橋直久