企画の性質に無頓着でいると、企画しているつもりでいるのに、実際上は、単なる計画をしているに過ぎない場合がある。
たとえば、運動会とか学芸会を準備することは、一所懸命にチエを出して考えたとしても、明らかに計画の分類に入る。
きまり切ったことを、秩序を保って運営していく活動に重点がおかれるからである。
たとえば、国体も、オリンピックも、いずれも、従来の内容を踏襲する活動であるから、運動会を大きくしただけであって、やはり計画である。
わが国の企画は、一般に、前例を巧みに活用する「計画型の企画」が多く、海外から模倣国とかコピー型人間社会などと酷評される原因となっている。
しかし、企画は発明ではないのであるから、大なり小なり、前例の活用とか組み合わせがあるのは当然のことである。
前例の単なる踏襲でなければ、模倣とかコピーといった誘りを受けても、ひるむことはない。
大橋直久