ビジネスの場合、何を聞かれてもいいように、必要な知識やデータを整理してから相手と会うのは常識です。
しかし困るのは時として、自分の専門外のことも尋ねられてしまうこと。
しかも、その答えが、さっぱりわからないとなったらもうお手上げ状態に突入です。
次の例は、やはり、自分の仕事にかけては、しっかり勉強している人の話です。
その日も、取引先の会社を訪ねて、担当者と話をしていました。
ちょうどそこに、別の部の課長がやってきて、聞かれたのです。
「ああ、○○社さんですか。おたくの商品開発部のA部長とは、入社以来おつきあいさせていただいてます。
先日も電話したら、ニューヨークにおでかけということですが、おかわりなく元気にやっていますかね、それでいつ頃お戻りかわかりますか?」
しかし、彼はA部長とは部署が違うので、答えの見当もつきません。
素直に「わかりません」と答えると、相手は質問を変えてきました。
「ところで、今回の新製品もA部長の発案なのですか?」
その質問にも答えられず、会話らしい会話にならないまま終わったそうです。
大橋直久