「0歳児は100%保護されなければならない」とディートリッジ(Dietrich)が述べているように、乳児はその生活能力がきわめて低いのでつねに事故の危険にさらされている。
事故による死因をみると機械的窒息が第1位で約70%を占め、次いで溺死・墜落・火傷・交通事故などが多い。
「何が危険で、どうすれば安全か」という知識が乏しいので安全管理に十分に注意する必要がある。
具体的には何でも口に入れるので、乳児の手の届くところに薬品や針・刃物・危険なおもちゃを置かない、寝がえりをうってベッドから転落するので転落防止に注意する、8カ月頃から移動が可能になるので縁側からの転落や室内での転倒に注意する、ガスや電気・ストーブなどによる火傷に注意するなど。
保育者は乳児の自由運動と自発性に留意するとともに、その安全管理に配慮する。
機械的窒息事故では、吐乳による窒息を防止するために授乳の後しばらくしてから頭を横にして寝かせること、ストーブや暖房のそばには棚をつくること、棚やベッドのそばに物を置かないことなど細心の注意を払いたい。
乳児期には窒息・転落・火傷による事故が多いのでとくに注意したい。
大橋直久