鏡開き(土蔵開きと田打ち正月)(大橋直久)

鏡開きというのは一月十一日、お正月に飾ったお鏡(鏡餅)をおろし、下げた餅はおしるこにしていただく風習です。

そのさい刃物で切らず、手で開いたり、槌で割ったりします。

固くなっていて、切りにくいことも切りにくいですが、"開く"は"切る"ということばをきらっての表現ですし、アズキの吸い物(おしるこ)にするのは、わが国にもたらされた最初の米種が赤米であったことを偲んで、赤飯などの場合と同じに、いつもこうしたときはアズキをつかうのです。

つまり、正月も十日をすぎたから、お鏡を開いてそろそろ働こうと、商店では土蔵開きといい、また、農村では田打正月といって、古くは形ばかり農作業をし、雪国では雪の上に松の小枝を苗にみたてて植えたりしたといいますが、近世ではそんなに長く休んでいるわけにいかないので、実際の仕事始めは二日に繰り上げ、形式だけが残っているのです。

大橋直久

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このページは、-が2017年10月 6日 12:40に書いた記事です。

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